真西の二上山に日が沈む光景はあまりにも有名です。
太陽は東から昇って西に沈む。
当たり前のことですが、延々と繰り返される太陽の営みです。
万葉日本画の題材・二上山。
春分や秋分の日、山の辺の道の途上にある桧原神社からは二上山の日没が望めます。カメラ愛好家の間でも人気ですよね。二上山の向こう側には”あの世”が広がっている。極楽浄土の世界が二上山の向こう側にある・・・いにしへの人々はそう信じていました。
三輪山から日は昇り、二上山に沈んでいく・・・。そのように考えていたようです。
西の彼方に広がる浄土世界
桧原神社の境内から西の方角を望みます。
死者を葬る先は二上山の向こう側でした。
阿弥陀仏にすがるわけではありませんが、きっと素晴らしい世界が私たちを待ち構えている。そんな淡い期待を抱いていた昔の人たちの想いが伝わってきます。
二上山の麓に当麻寺が位置しているのも、極楽往生を願った人々の強い思いからではないでしょうか。
日は昇り、日は沈む。
二上山の向こう側には浄土の世界が広がっています。